あなたの生まれてくる世の中は、日本という世界でも最も恵まれた国の一つですが、同時にそれはグローバライズされた大きな地球という社会の一員でもあるのです。そして、その日本の豊かな国力は世界に対して大きく開かれていて、63億人もの世界中の人たちから、地球環境保護や開発途上国援助等の平和協力の面で大変期待されているのです。
そこで、途上国の子どもやお母さんに何が起こっているかを少しだけお話しましょう。
いま、あなたが生まれて来るときにお母さんにもしものことがあったらと心配する人は日本には先ずいないでしょう。なぜなら先進国でのその危険性は4、000分の1に過ぎないからです。でもサハラ砂漠から南のアフリカでは出産は今でも大変危険を伴います。そこでは医療設備や知識の不足のため約15人に一人の割合でお母さんが命を失います。では、生まれてから5歳まで健康に育つ確率はどうでしょう。日本は世界でも最善のグループに属し、99%に達します。他方、先ほどのサハラ以南のアフリカでは、1、000人中169人が命を落としています(2005年の国連統計による)。予防接種やきれいな飲み水が行き渡らないことと地勢が原因の大きな部分を占めているのです。もちろんユニセフは世界の152の国や地域で子どもの命を守る活動を続けています。その成果の一つとして2007年末の途上国における5歳未満で死んで行く子どもの数は1、000万人を切りました。1989年の国連総会で「児童の権利条約」が採択された時の実態は約1、500万人でしたからお母さん達のユニセフ支援の成果は着実に上がっているといえましょう。
でも、途上国の子どもも日本の子どもも生きる権利は同じな筈です。「日本に生まれて良かったな、ラッキー」で終わらせてよいものでしょうか?
グローバリゼーションは世界に経済的勝者と敗者を創り出しています。あなたが育っていく日本は今後も永遠に勝者であり続ける保証はありません。途上国の子どもが貧困から抜け出して、現在、勝者と看做されている国に対して、不満を持たない世界を創り出して行くことこそ、世界の平和を守り、あなたの未来を保証することにもなるのです。
あなたの幸せな人生を祈ります。
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