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聖路加国際病院名誉院長・理事長日野原 重明

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日本の少子老齢化が世界一にまでなった現実は、日本の将来に非常な不安を与えます。老齢化に対しては、私は65歳以上でリタイアするのでなく、たとえ病気をもっていても自立し、社会活動に参与する「新老人の会」の運動を展開しています。

少子化に対して、今の日本の現状では、育児、教育、医療への教育と福祉対策が好転しないと根本的な解決は見られませんが、今すぐやれることは年々生まれる約120万人の新生児たちをいかに健やかにと育てることができるかへの対策を強力に実行すべきだと思います。

生まれた子どもたちへの成長をよくするための栄養的配慮については今日の日本の状況では、正確な知識を両親に与える教育を徹底すれば可能です。子どもへのしつけは、親の愛情とよい生活習慣をこどもに自然と体得させることで可能です。そして、両親が子どもを両親で独占し甘やかすのではなく、健康な子どもの集団に早く入れて、共に生きるという社会性を早くから身に付けさせることが大切です。
そのためには働く母親のために、熱の出た子供でも収容できる育児所が必要であり、定期的健診が小児科の専門医で正しく行われることも必要です。
眼や耳や匂いなどを通してのよい美的環境や音楽的環境、四季の自然に子供を触れさせる配慮が必要です。

子どもと両親との間にいつも微笑みが交わされる情的な環境は特に大切だと思います。親が車酔いとなると、子供もそうなることは、いかに親の行動がこどもに影響を与えるかを示すものです。子供が一人っ子であることは、子どもにとっては不利な環境で、早くから子ども同士の世界に一人っ子を触れさせることも必要です。

子どもが健やかに生きるための子どもの生活リズムを親が無視することなく、子どものあらゆる環境に親はもっと配慮して欲しいと思います。

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