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安城更生病院 総合相談室勤務 (第1回ひまわり褒章受賞者) 須場 今朝子

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働きながら子育てをされているお母さん 仕事と育児に追われ、時間との戦いで余裕のない生活にこんな事でいいかしら?と悩んだり自己嫌悪に陥ったりしていませんか?

私は3人の子供を授かりました。看護師という仕事が大好きで、仕事から離れられず、3人とも産休だけで保育所に預け、働き続けて現在に至っています。子どもも巣立ち、孫を持つ年齢になって子育てに必死だった頃を懐想し、苦笑しています。仕事と家事に追われ、口を開けば「早くしなさい」を連発し、時には他の子と比べ一喜一憂したこともありました。頭の中では、それぞれ個別性があり、成長発達段階であること、親子であっても別々の人格を持った人間なのだとわかっているはずなのに・・・・

自分の物差しで計ったり価値観を押し付けたり、思い通りにならないとイライラしそんな自分に腹が立ち自己嫌悪に陥ることもありました。
最初から完璧な親などいません。子どもと一緒に泣いたり笑ったりの積み重ねがあって初めて親も子どもも育っていくのだと思います。

私は母親が47歳の時9番目の末っ子で生まれました。家は貧しい農家で両親とも1日中野良仕事で身を粉にして働いていました。そんな姿を身近に見て育ったせいか、ひとつでも多くお手伝いをし、親に喜んでもらいたいと思ったものです。暗くなり仕事から帰った母親は縁側に腰掛け、私が次から次に喋る1日の出来事を(学校 友達 お手伝いのことなど)ただ相槌を打ちながら、話の腰を折ることもなく聞いてくれました。夕食が終ったら毎晩のように、母親は夜なべをしながら、「母さんはろくろく学校にも行ってないから字もよくわからない。お前は本を読むのが上手だから聞くのが楽しみ 読んでくれるか?」といって本読みをさせられました。母親に褒めて貰うのがうれしくて、得意になって読んだものです。その時は母の言うことを真に受けていましたが、本当は、母は字も読め、書くことも出来たのです。それが母親の教育方針だったのかと、子育ては、すでに卒業してしまった頃に気づき、母のすごさに舌を巻いたものです。

どの子も親に、愛されたい。一人の人間として認めてもらいたい。褒めてもらいたい。という願望をもっています。親として、未来を担う子どもたちに、物ではなく心の財産をひとつでも多く残してあげたいものです。

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