次世代を担うこどもの誕生は、人間社会の持続にとって、なくてはならないものであり、社会の喜びです。
しかし、このように、まさに「諸手をあげて」待ち望まれている筈のこどもたちの誕生も、労働の現場などでは、頭から邪魔者扱いされることが少なくありません。妊娠出産を機会に、口実をつけて解雇されたり、こどもの病気で休むからといって白い目で見られたりする母親の状況は、昔も今もそれほど変わっていません。「世の宝」であるこどもを身ごもり、10月の間体内に大切な命を預かり、生みの苦しみに身を委ねた母親たちが、職場に復帰するために必要な保育園も足りていません。
乳幼児をつれた親は、多くの文化的な場所で「入場お断り」の邪魔者扱いです。一般席とガラスで遮断した「禁煙ブース」があるのに、「親子ブース」などの工夫はまだまだです。
「いのちをはぐくむ」という人間にとって、最も大切な営みが、社会の現場では、「迷惑行為」「自己責任」として疎まれるのは、理屈に合いません。だれに気兼ねすることもなく、こどもを生みそだてられる社会こそが、明日をひらく社会です。こども達と、ひいては「にんげん」の明日のために、日弁連もがんばります。
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