メッセージ

社団法人日本自動車連盟(JAF)会長田中 節夫

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 自動車が普及し、おなかが大きくなった妊婦の方の移動も便利になりました。出産間近まで、ご自分で運転をされる妊婦さんも少なくありません。
 ご出産を控えた未来のお母さん方は、その身体に「ふたつの生命(いのち)」を抱いています。  ひとつは、新しく生まれてくるお子さんの生命。そしてもう一つは、言うまでもなくお母さんご自身の生命です。

自動車の車室内では、いずれの席でもシートベルトを着用すること(お子さんはチャイルドシートに座らせてあげること)が必須ですが、生命をまもるために妊婦さんにも迷わず「正しく着用」していただきたいと願っております。
 シートベルトは、衝撃を受けた際に身体が飛び出したり、大きく振られて車内のどこかにぶつかったりするのを防ぐためものです。そのため、シートに深く座った状態で「ゆるみやねじれがないこと」「硬い骨(腰骨、胸骨、鎖骨)のところにかかること」が「正しい」つけ方です。
 万が一の際には、たいへん大きな力(エネルギー)がベルトと身体にかかってきます。おなかのふくらみに直接かからないよう避けつつ、硬い骨にかけます。腰ベルトは、おなかの下の方に。また肩ベルトは、上半身が前のめりになったり飛び出したりするのを防ぐために重要です。
 JAFのホームページ(http://ch.jafevent.jp/detail.php?id=182_0_48511)では、専門家のご指導をいただき、世界的にも貴重な「妊婦のダミーを使った衝突実験」の動画をご覧いただくことができます。「ふたつの生命」を守るべき未来のお母さん方にぜひご覧いただき理解を深められ、迷うことなく「正しいシートベルト着用」をお願いしたいと思います。

シートベルトとチャイルドシートについて、JAFでは永年にわたり、その使われ方を調査しながら、正しい使用について啓発をしてきました。簡単で効果的な保護装置であるにもかかわらず、着用率・使用率の向上と維持にはいまだに課題があります。特に後部座席のシートベルト及びお子さんを守るチャイルドシートについては、まだ半分程度の使われ方にとどまっており、引きつづき啓発が必要であると感じております。
こうした立場からも「ふたつの生命を守るシートベルト」の着用とチャイルドシートの使用を通じ、安全に自動車交通の利便を享受しつつ、母子ともどもすこやかに過ごされることを願っております。

○文中の動画は、JAFホームページ(http://www.jaf.or.jp/)から次の経路でも見つかります。
 トップページ→JAFChannelおすすめ動画→CH2交通安全 →2010.01.08「妊婦のシートベルト着用効果実験」 。

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